犯罪の機会を与えない環境づくり…
防犯対策は、3つのステップを踏んで立案、構築します。
まずは、依頼主の要望や対象物件の状況を確認します。
次に、確認事項を踏まえ、ソフト面での対策を立案します。防犯上のルールづくりは、防犯対策の根本的な考え方を明確にすることが重要です。この考え方が、防犯対策の方針となり、防犯対策の背骨となるのです。対策が効果的になるか否かの分かれ道になると言えるでしょう。
そして最後に、防犯対策の方針を受けて、ハード面での対策を立案していきます。防犯対策の方針を実現するために、最適なハードを選択します。
3つのステップを踏んで、ソフト面、ハード面を組み合わせた効果的な防犯対策を構築します。
防犯対策を構築する際には理論的な根拠、判断基準が必要です。
ソフト面、ハ-ド面をバランスよく組み合わせて領域性、監視性、抵抗性を高め、犯罪の機会を与えない環境を構築します。
ハード面での対策の中に、防犯設備があります。侵入警報システム、出入管理システム、防犯カメラシステムは防犯設備の3本柱と言われています。防犯設備の設計、構築は、犯罪企図者に最大限のプレッシャーを感じさせることが重要です。システム同士をバランスよく組み合わせたり、連動させたりすることにより全体的なシステムを効果的なものにしていきます。
昨今、防犯カメラを設置することが防犯対策の目的になっているような依頼主を多く見かけます。近視眼的な発想になっているように感じます。防犯カメラは、防犯対策構築の一つの手段に過ぎません。手段としては大きな効力を発揮するのですが、対策の目的ではありません。防犯対策の目的は、あくまでも犯罪を起こさせない環境を構築していくことです。
(*犯罪機会論… 小宮信夫教授考案「犯罪抑止の3要素」他参照)